韓国

新型コロナが韓国経済に与えた影響についての考察

新型コロナウイルスに伴う中国と米国の貿易戦争によって韓国の輸出には悪い影響が出ている。韓国から中国への輸出は今年に入ってから断続的に赤字が続いており、輸出全体で見ても、8年3ヵ月ぶりに赤字を記録した。半導体業界は今年大幅な需要の増加が見込まれていたが、コロナによる需要の減少によって大きな打撃を受けた。自動車業界も欧米の工場の操業停止によってやはり大きな打撃を受けた。

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新型コロナウイルスの影響で韓国の輸出には悪影響が出ている。中国の中央銀行である人民銀行は26日、対ドルの人民元為替基準値を前取引日より0.12%の元安となる1ドル=7.1293元と告示した。対ドルで人民元相場を下げたことによって中国の輸出品の価格競争力を高める効果が出る。このような処置は新型コロナへの対応を巡って対立している米国に対する警告という見方が通説的だ。このような情勢はすでに輸出不振に苦しむ韓国経済に二重の悪材料として作用している。韓国の輸出先は4分の1近くが中国であり、今後の輸出状況は容易ではない。韓国政府の産業通商資源部によると対中輸出は2018年11月から13カ月連続で減少した後、昨年12月に一時的に回復したが今年は再び4カ月連続マイナスだ。対中輸出額のうち中間財の割合が8割弱と高い構造もリスク要因に挙げられる。韓国全体の輸出で見ても9億4000ドルの赤字になっており、8年3か月ぶりの赤字になった。この輸出の大幅な減少はコロナで外需が減少したことが大きな要因とされる。新型コロナの影響によって2~3月の間は消費の委縮によって内需が減った。

その中でも危機にさらされているのは半導体であり、米国の制裁により韓国の半導体の核心需要先であるファーウェイの生産が減少する恐れがある。元々今年の半導体業界は5Gの商用化に伴い大幅な通信量に増加に伴う需要の拡大が見込まれていた。しかし欧米諸国が新型コロナによる経済の悪化を理由に5Gへの投資を延期表明したこともあり、経済への悪影響は避けられない。

また自動車の輸出も減少している。韓国の最大手自動車会社の現代自動車はこれまで順調に業績を上げていたが、10年ぶりに最低水準にまで落ち込んだ。韓国のコロナは現在落ち着いているが、最大の輸出先である欧米諸国ではコロナが引き続き流行している。米国のアラバマ工場では従業員が新型コロナウイルスの陽性だと診断され、工場の稼働が停止した。またヨーロッパの工場では労働組合が14日間の操業停止とウイルス対策の徹底を要求している。

一度は沈静化したに思われた米中貿易戦争が新型コロナによって再度活発化したので、米中ともに関係の深い韓国のダメージは大きいといえる。韓国の産業構造は元々輸出重視であったので、貿易戦争の影響をもろに受けている。韓国の半導体業界は5Gを起死回生のチャンスと考えていたが、これが新型コロナによって潰れたので立て直すことは容易ではない。

このニュースを読んだ韓国国民の反応のご紹介

その件で韓国のネットユーザーは「韓国の今までの事を鑑みると、経済を文在寅が立て直すのが難しい。このままでは第二次の通貨危機が発生する」「元々経済は19年から悪化しているので、そのツケがコロナによって顕在化してきただけだ」「韓国の花形のITと自動車がこんな調子じゃチキン屋になるしかないのも分かる」などとコメントしている。

https://www.youtube.com/watch?v=TJ_aow7C-0I&t=130s

Masa

Witten by Masa

情報工学系学部卒のエンジニアです。メインはフロントエンドですが、そのほかにもPython,PHP,GAS,など色んな言語、開発、データ分析、マーケティングなど手広くやってます。